どこまで下っただろうか。装置を見る。
すると装置上では、みんなすぐ近くに居る筈なのだが、姿は見えない。
壁に文字が現れる。誰に当てるでもない、独白的な文章だ。文面から、兄妹の兄のものだと分かった。
文章は、病院の本当の目的、この長い階段の正体、なぜ妹がこんな病気で苦しまなければならなかったのかという怒り、そして最後に、死への恐怖が綴られていた。
妹はもう死んでいるようだった。
この階段では、時空間が歪み、僕達は異なる時間で同じ場所に存在している。
過去から未来へなら、例えは壁に文字を書くような方法で、メッセージを残すことができるらしい。
どうやら未来には、彼女と親友が同じ時間にいるようだ。
未来なら、変えられるかもしれない。
僕が彼女に果たせなかった約束を、どうか親友に果たしてもらいたい。
二人には幸せになってもらいたい。
メッセージを残そう。過去から届いたメッセージを元に。二人に真相を伝え、未来を託そう。
僕はメッセージを書き終える。薬が切れる。薄れ行く意識の中で考える。
僕は死ぬ。
どうせ死ぬなら、死んだ後は楽しい所に行けると想像した方が救われるに決まってる。
天国へ行って、魂になって、生まれ変わって、またみんなと出会う。今度はもっと楽しい所で。
これは僕達が死への恐怖を、希望という想像で乗り越えようと導き出した祈りだ。
想像力を使えば、時間も、魂も、死への恐怖をも越えられる。
目の前が、明るくなっていく。
こんな支離滅裂でストーリー展開も滅茶苦茶な中二病全開の夢を見て、僕はおいおい泣きながら目が覚めたんだ。
脚本家にもなれるね!!
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