屋根の上で、たゆたう雲を眺めてると、耳慣れたメロディが近づいてくる。
母におねだり、お小遣いの200円を手にメロディの元へ走る。
なぜか一番乗りを目指して、走る。
やがて甘い匂いと、一台の可愛らしい車が止まっている。
中にはパンがぎっしり詰まっていて、側には優し気なおじさんが立っている。
閑静な住宅街に、少しだけ賑やかな響き。
一番乗りは近所の奥様方だったようで、井戸端会議ならぬパン屋端会議に勤しんでいる。
この順番待ちも、それはそれで心が躍る。
たくさんの種類のパンを眺め、食感を、匂いを想像する。しかし、買うパンは既に決まっている。
「おじさん、いつもの。」
「はいまいど。」
おじさんに200円を渡し、僕はお釣りを受け取る。
なぜかお釣りを貰って得した気分になる。
おじさんはどこからともなくやって来て、人々に幸せを届ける。
そして去って行く。
なんてカッコいいんだ。
そんなわけで、僕は今日もパンを買って、食べる。
クリームパンとチョココロネください(´∨`*) ♪
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