たぶん夢の中で会うのは二回目だ。(もしかしたら忘れてるだけで何度かあったことあるのかもしれない)
表情はボーッとしていて、冴えない。
いつも青緑っぽい作業着を着ている。
この駅前に頻出することくらいしか分からない。
僕は友人と下北沢に飲みに行くため外出したところ、駅前におじさんがいたので、話しかけてみた。
「ああ、どうも。」
「ああ、君か。どうもどうも。」
「こないだはありがとうございました。色々話聞いてくださったので、お礼と言っては何ですが」
と言って、僕は皿に乗せてラッピングしてあったハンバーグを彼に献上した。
二人とも街路樹の下に座り、話し込む。
「ところで、女性のアレってなんなんですかね。突然機嫌悪くなるやつ」
秋雨のごとき乙女心について愚痴っていると、
「それは君、あれだよ。フェンクションだよ。」
「フェンクション」って何ですか?面白い響きですね。
と、言葉の意味もよくわからず、とにかく面白かったので二人で笑った。
どちらとも詮索されたくなかったのか、あまり馴れ合いは好きではないのか、お互い身の上は話さなかった。
おじさんは聞き上手だった。
宴もたけなわ、ぼくはここいらで失礼します。最後にひとつだけ
「おじさんなら、どうします?その、女性がフェンクションの時」
と言うと、小便でもしたいのか、おじさんはトイレに歩きだし、駅前のトイレ(実在しない)の外壁の排水溝あたりに立つ。
まさかそこで小便をするのではないかと思いきや、
「その時はあれだよ。あまりグダグタ言わせないように、抱きしめて頭撫でてやって、そうか辛かったねー。って、なだめてやることかな。」
そう言って、駅のトイレの周りの掃除を始めた。
どんだけ男前なんだよおじさん。
こんな素敵な夜は、とっとと帰ってチーズハンバーグでも作ろう。
もう11月も半ばだというのに、夜風が少し暖かく感じた。
そんな夢を見たんだ。
フェンクションって何だろ。
返信削除`;:゙;`;・(゚)ε(゚ )フェンクション!
返信削除シリーズ続編もたのしみだ!
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