とある大学の学食にて。
女「自分探しったって、私はここにいるじゃない。
ここにあるものを探してもしょうがないでしょう。」
男「いやいや君、これはあくまでメタファーですよ。
何も本当に迷子になった自分を探すわけじゃありません。」
女「そうなると自分とは何か、から始める必要があるんじゃない?
身体は勿論、精神や社会的立場も含めて、自分という人間を指すわけね。」
男「自分について考え過ぎるとわからなくなるものです。
そんな時は普段とは異なる視点から、自分を客観視する手段があります。」
女「そこで自分探しの旅?」
男「そう。」
女「半ば強引ってところね。」
男「その先に何かを見い出すも良し、細やかな成功体験に勢い付くも良し。
とにかく八方塞がりなところから動き出すことが大事なのです。」
女「でもそれって逃げてるってことにはならない?」
男「逃げでもいい。動かないよりはずっといい。
それに、どうせ自分からは逃げ切れやしないんだから。」
女「え、これもメタファー?こういうの好きかも。」
男「どうも。」
…
男「どうですか?自分探しの旅
。自分を見失った時、あなたもやってみてはどうでしょう。」
女「自分探しったって、私はここにいるじゃない。」
男「この話題については、僕らは完全に迷子のようですね。」
女「あなたと一緒なら、迷子になるのも良さそうね。」
男「長い、旅になりそうですね。」
僕「ご馳走様でしたー。」
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